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脳内のドーパミンが減少し、これによる運動失調がパーキンソン病の症状です。現在の治療法は神経細胞内のドーパミンを増やす薬剤ですが、薬剤濃度のコントロールが難しい方がおられ、体の動きが一定しない副作用も報告されています。京都大学医学部では新しい治療法として、他人のiPS細胞からドーパミン産生を担う神経前駆細胞を作成し、パーキンソン病患者さんの脳内に移植する第1・2相臨床試験を実施し、その臨床的有用性および副作用がないことを確認いたしました(Sawamoto, N et al. Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease. Nature 641: 971-977, 2025)。これに基づき、(株)住友ファーマは(株)RACTHERAとともに、同iPS細胞製剤の販売承認申請を2025年8月に厚生労働省に行いました。同細胞製剤は先駆け審査制度の指定を受け、今回の市販後にその有効性が認められれば、本格的に治療への応用が実施されます。
引用文献 DOI link: https://doi.org/10.1038/s41586-025-08700-0