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島根大学医学部・桑子賢一郎准教授らの研究グループは、乳幼児に発症し深刻な運動障害を引き起こす遺伝性疾患(CONDCA)のモデルマウスに対して、遺伝子導入用ベクターを使用した治療研究を行い、当該遺伝子治療法が有用であることを国際医学雑誌(Molecular Therapy)に発表いたしました(引用文献)。本遺伝疾患は、小脳の神経細胞の変性を引き起こすため運動機能が障害されますが、その原因はAGTPBP1遺伝子の異常であることが知られています。そこで同研究グループは当該原因遺伝子異常を有するマウスを作成し、正常なAGTPBP1遺伝子を加工して遺伝子導入ベクターに組込み、それを疾患マウスの脳内に静脈内経由で発現させたところ、その疾患マウスの神経障害は著しく改善されたということです。このことは遺伝性神経変性疾患の治療が、遺伝子導入法という手法で可能で、その遺伝子を含むベクターが新たな治療薬になりうることを示しています。これまで、治療法がなかった遺伝性神経疾患に対しても、早期の乳幼児に治療を開始すれば、当該神経変性を防止できる可能性があることをこの研究は示唆しています。
引用文献:AAV-based gene therapy ameliorates neurological deficits in a mouse model of childhood-onset neurodegeneration with cerebellar atrophy Mol Ther 2025 Nov 5;33(11):5829-5839.doi: 10.1016/j.ymthe.2025.07.055.
島根大学プレスリリース:https://www.shimane-u.ac.jp/docs/2025073100011/